使用するマイクを選択する場合は、形状やデザインなどを重視するのではなく、どのような性能なのかを見極めることが大切です。
特に、指向性についての理解が不十分なままマイクを選択すると、適切な収録・録音をすることができなくなってしまいます。
マイクの指向性には、たとえば双指向性マイクというものがあります。
双指向性マイクの構造
マイクが音源を捉える部分というのは、必ずしも1ヶ所ではありません。
マイクロフォンの前方だけで音を捉えるのではなく、前後の双方で音を捉えているものを双指向性マイクと呼んでいます。
音の空気振動を、マイクロフォン本体の前方からも後方からも受け取ることができます。
近年、双指向性マイクが増えてきていて、さまざまな場面で活用されるようになってきました。
双指向性マイクが役に立つ場面としては、小型のコンデンサーユニットを用いているヘッドセットなどがあります。
また、パーソナルコンピューターで音声を認識する場合や、カーナビゲーションなどの装置でも頻繁に使用されています。
双指向性マイクの特徴
双指向性マイクを使用することで、効率的に音を集めることができ、正確な音声認識が可能になります。
一般的なユーザーは、マイクが双指向性であるかどうかには関心がないものです。
パーソナルコンピューターやカーナビゲーションシステムでは大きな効果を発揮している双指向性マイクですが、P.A.などではあまり有用ではありません。
むしろ、デメリットが大きくなってしまいます。
マイクロフォン本体の前方・後方の双方から音を拾うことができるということは、マイクロフォンの後方にモニターを設置することができないことを意味します。
P.A.の作業で用いる器材の準備に手間がかかってしまいます。
前方と後方からの音を拾う双指向性マイクには、他のタイプのマイクにはないメリットもあります。
それは、横から届く音を取り入れずに済むという点です。
サイドモニターが設置されている場所で、横からの音を排除したい場合は、双指向性マイクが役に立ちます。
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