マイク選びをする際に性能やスペックを見ていると、「ダイナミックレンジ」という項目があります。
このダイナミックレンジは、そのマイクが拾うことができる音の幅を表している性能です。
基本的には、ダイナミックレンジの値が高ければ高いほど、そのマイクの性能は優れていると言えます。
このページでは、ダイナミックレンジについてどんな性能のことなのか、また人気のあるマイクのダイナミックレンジをまとめていますので、マイク購入の際に参考にしてみてください。
マイク性能のダイナミックレンジとは?
マイクの性能を表す項目には、様々なものがありますが、その中でもダイナミックレンジとは何なのでしょうか?
そのマイクが拾える音の幅のこと
ダイナミックレンジとは、そのマイクが拾える最大の音を最小の音の幅を表しているものです。
もう少し具体的に言うと、そのマイクが歪みなく拾うことの出来る最大の入力音圧と最小の入力音圧の差のことを、ダイナミックレンジと言います。
ダイナミックレンジはDNR(Dynamic Range)とも略され、dBとデシベルで表記されています。
なお、
- マイクの最大の入力音圧のことを最大入力音圧レベル(最大SPL)
- マイクが拾える最小の音圧のことを自己雑音レベル(セルフノイズ、等価雑音レベル)
などと言います。
大きければ大きいほど性能が高い
ダイナミックレンジのdB値が高ければ高いほど、そのマイクの性能は良いと言えます。
ダイナミックレンジの値が高いということは、大きい音から小さい音までより広い音を拾うことができるので、基本的にダイナミックレンジの値が高いマイクは、性能が良いと言えます。
しかし、ダイナミックレンジの高いマイクは感度が低くなっているものも多く、小さい音などを集音する場合はゲインを上げないといけず、その際にノイズが入りやすくなります。
そのため、楽器など大音量での集音を考える場合は、ダイナミックレンジが高いマイクの方が良いですが、ボーカルなどの集音であればダイナミックレンジの値が狭くても感度が高いマイクを優先する方が良いかと思います。
ダイアフラムの大きさによって傾向がある
ダイアフラムは口径の大きさによって、ラージダイアフラムとスモールダイアフラムに分かれますが、それぞれのダイアフラムによってダイナミックレンジの値に傾向があります。
ラージダイアフラムマイクは、感度が高い分ダイナミックレンジが低くなりやすく、高音圧には耐えにくい特徴があるので、ボーカルの集音などに向いています。
一方で、スモールダイアフラムマイクは、感度は低いですが、ダイナミックレンジが広くなりやすく、高音圧にも耐えられるので、ドラムや楽器の集音に向いています。
あくまでも傾向ではありますが、使用用途に合わせて、ダイナミックレンジの値も見ていくことが重要になってきます。
人気のあるマイクのダイナミックレンジ
マイクのダイナミックレンジがどういったものなのかが分かってきたところで、ここからはそれぞれのマイクがどのくらいのダイナミックレンジなのかを紹介していきます。
audio technica / AT4040:133dB
audio technicaから発売されているラージダイアフラムマイクのAT4040は、ダイナミックレンジが133dBとなっています。
広いダイナミックレンジを持っているマイクで、高音圧にも耐えられる優れた性能があります。
音質も高く、クリアな音声を拾ってくれるので、非常に人気の高いコンデンサーマイクです。
SHURE / SM86:124dB
SHUREのSM86は、ダイナミックレンジが124dBとなっています。
SM86は、ライブパフォーマンス用に作られたコンデンサーマイクで、ボーカル向きと言えます。
最大音圧レベルは147dBという値になっているので、ある程度の大きな音にも耐えられるマイクです。
AKG / C214:123dB(Pad使用時143dB)
AKGのC214というマイクのダイナミックレンジは、123dBとなっています。
このマイクには、入力信号のレベルを減衰させるためのPADスイッチが付いていて、オンにすると20dBの減衰効果があるため、ダイナミックレンジは143dBまで上がります。
ボーカル以外にも楽器の使用にも使えて、クリアな音声を拾ってくれます。
まとめ
このページでは、マイクのダイナミックレンジについて紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?
ダイナミックレンジとは、マイクが歪みなく拾うことのできる音の幅のことで、dBで表記されています。
基本的には、ダイナミックレンジが高ければ高いほど良いマイクと言えますが、その分感度が下がってしまうことが多いです。
そのため、使用用途に合わせて、ダイナミックレンジを見ていくことをおすすめします。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました!