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音波とマイクの構造から見る最適なマイク選び

基礎知識

音声を録音したりカラオケで歌うときに欠かせないのがマイクで、以前よりも小型化し使い勝手も良くなっています。

そして私たちの生活のあわゆる場所で使われるようになってきました。

しかし、マイクの中身や構造に興味を持つ人はあまり多くはありません。

マイクの構造を知ることで、自分の目的に最適なマイクを見つけることもできますので、その構造を見ていきましょう。

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音はそもそもどのような仕組みで伝わるのか?

マイクの構造の前にまずは音というものはどのようにして人間の耳に伝わるのでしょうか?

私達の周囲では前後左右と上下までもあらゆる方向で空気の振動(音波)が発生しています。

この振動を捉えるのが耳の器官である「鼓膜」になります。

そしてこの鼓膜で拾った振動が、耳小骨という3つの小さな骨を経由して内耳へと伝達されていきます。

リンパ液で満たされた内耳へと伝わってきた振動は、ここでリンパ的の振動により聴細胞が刺激され、電気的に神経を興奮させます。

この興奮が内耳神経、そして最終的に脳に伝わることで、私たちは「音が聞こえる」という体験をしているのです。

悲しいかな世の中にたくさんある雑音や騒音も、素晴らしい音楽も全てが同じ道を通って同じ鼓膜を振動させて聞こえるのです。

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音波とは?

先ほどもお伝えさせて頂きましたが、鼓膜にまで伝わって初めて聞こえる音波ですが、周波数というその振動が1秒間に何回繰り返されているのかを示す指標があります。

これは振動数とも呼ばれます。

人間の耳では16Hzから2万Hzの周波数(可聴周波数)を音として聞くことができ、それよりも高い周波数のものを超音波、逆にそれ以下のものをインフラソニック波(超低周波音)と呼びます。

見てもらえれば分かりますが、各マイクロホンには周波数特性という数値が記載されており、どの周波数の音を集音して出力することが出来るかが書いてあります。

マイクロホンはその空気振動を機械的に変え、それをまた電気信号に変換する道具ですから、当然その振動を正確に変換する機構が備わってなければなりません。

なお、最近だと東芝が超音波など人間の耳では聞こえない音を検知出来るマイク、スピン型MEMSマイクを開発しています。

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人間の体とマイクの違い

さて、今度は人間の体の構造をマイクの構造に置き換えてみましょう。

外からの空気振動を感知する鼓膜から、内耳へと振動を伝える耳小骨までの中耳の役割を、マイクでは振動板という部分が担っています。

振動を感じ取るという部分までは人間の聴覚とほぼ同じです。

この振動板で拾った振動を電気信号に変換する部分が人間でいうところの内耳です。

物理的な振動を電気信号へ変換して伝えるマイクユニットという要の部分ですが、電気信号の発生のさせ方の違いによりいくつかの種類があります。

ここが人間の聴覚とマイクの違うところです。どの方式でも電気信号を発生させて伝達させる目的は同じですが、得意な音や苦手な音、使い方の違いがあります。

そして人間の内耳で発生した興奮が神経を通じて脳へ届けられるのと同じように、最終的に電気信号がマイクのコネクタから接続されたケーブルで他の機器に届くことで音が認識されています。

なお振動板の種類には、コイル型、コンデンサー型、クリスタル型、カーボン型などがあり、これらに応じてマイクは分類されます。

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マイクの種類は大きく分けて2種類

前述させて頂きましたが、振動板の種類によってマイクは分類されるとお伝えさせて頂きましたが、私が目にするマイクでは大きく分けて2種類に分類されます。

カラオケなどで良く置かれているタイプのマイクはほとんどがダイナミックマイクと呼ばれているものです。

一方テレビの番組などでスタジオの上部から吊り下げられているようなマイクがあると思いますが、コンデンサーマイクと呼ばれているものを使用しています。

先ずダイナミックマイクの構造はマイクの中に音の振動に反応する機構が組み込まれております。

その音からの振動を電気信号に変換し、その電気信号を受けた振動板が振動する事で入力された音を再現できると言う構造になっております。

一方のコンデンサーマイクの方は構造が複雑で、単純に電源を入れただけでは音の入力も出力もされません。

コンデンサーマイクには振動と電源の2つが必ず必要になります。

マイクの中には電極振動板と言われる音を振動に変える板が有り、その振動板から発せられる振動によって内蔵されているコンデンサーの間隔が変化する事で生じる静電気の容量の変化を音に変えると言うかなり複雑な構造となっております。

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耳に相当するのがマイク

少し話は変わりますが、電気を使った録音や拡声(パブリックアドレス)の場合、生の音の入口、つまりは人間の耳に相当する箇所が、マイクという事なのです。

最近では技術の進歩もありライン入力全盛の時代に突入しています。

これから先、いくら進歩しようとライン入力での個別線確保という事実は変わることは無いかと思われます。

そのためマイクロホンを知る事は、自然音響(生音、アンプラグドなど)の理解に繋がり、マイクロホンの内部構造を知ることで、録音や拡声の腕前もさらに向上していきます。

計り知れない魅力と奥の深さを持つ音の世界への第一歩を、まずはマイクロホンを通して覚えていくことがベストだといえます。

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マイクの内部を守るもの

これまでがマイクの構造になっていますが、外からではこの振動板などを見ることは出来ません。

音波を正確に受け取るため、外部の影響を受けづらくする必要があり、振動板をしっかりと守るような形になっています。

まずマイクの内部を守るとしてグリルボールがあります。

ただマイクを守るだけでなく、空気がマイクの中に入ってくるような構造を取っています。

一般的に、マイクの頭が、メッシュ形式になっているのは通気性を落とさないためです。別名でヘッドケースとも呼ばれているマイクの重要な部分となります。

次に雑音を減らすウィンドスクリーンというものがあります。

スポンジや布など様々な素材が使われ、ヘッドケースの上にかぶせる形になります。

テレビではスポンジ型のウィンドスクリーンが使われているのを見かけることが多いです。

このおかげで余計な風が遮断されるため、雑音が少なくなります。

また守るものではないですが、マイク本体に電源信号を伝えるコネクタがあります。

マイクから伸びているコードのことです。このコード素材によって音質が大きく変わってきます。

高音質を望むほど、電気抵抗が少ない金属を使用します。しかしその分、値段も高くなります。

以上が音の伝わる仕組みとその音波を使用したマイクの構造になります。

マイクの構造を知るとマイクには得意・不得意があり、それを理解したマイク選びをしない本来の力を発揮できないということも多いのです。

是非、これらの内容を元に最適なマイクを選んでいきましょう。