マイクケーブルなんてどれも同じではないか、と考えていませんか?
たしかに、マイクやその他の機器はいろんな性能や機能を比較して注意深く選んでいるのに、マイクケーブルとなるとそこまで調べないで値段だけで判断していることがあるかもしれません。
でも、マイクケーブルというのは、マイクから拾った音声の電気信号が通る道です。
この道の質が悪いと、当然ながら音質が悪く、不要なノイズが発生したりしてしまうのです。
そこでこのページでは、マイクケーブルの種類や違いから選び方を理解し、またおすすめのマイクケーブルを紹介していきたいと思います。
マイクケーブルの種類や違いによる選び方
まずは、マイクケーブルの種類や違いから、どのように選んでいくべきかをまとめていきます。
端子(コネクタ)による違い
マイクケーブルを選ぶ際にまず重要なのが、端子の種類になります。
マイク側に繋ぐ端子をメス、ケーブルで繋ぐ先の機材側をオスと呼びます。
ほとんどのマイクはXLR端子で繋ぎますので、メス側はXLR端子のものを選びます。
オス側はどのマイクを使うか、どの機材に繋ぐかで端子が変わってきます。
XLR端子(オス)
マイクケーブルで最も一般的なのは、メスもオスもXLR端子のケーブルになります。
XLR端子の最大のメリットは、他の端子と比べて音質が良く安定的に音の電気信号を送ることが出来ることです。
XLR端子は3ピンの3極コネクタになっており、一番ピンが必ず最初に設置する仕組みで、電位差を解消しノイズが発生しにくくなっています。
このXLR端子にはロック機能も搭載されているため、外れにくく安定しやすいです。
また、コンデンサーマイクを使う場合は、必ずXLR端子を選びましょう。
なぜなら、ほとんどのコンデンサーマイクはファンタム電源と呼ばれる電気を送らないと、使うことができません。
このファンタム電源は、XLR端子からケーブルを通じてコンデンサーマイクに送る必要があり、他の端子では送ることが出来ません。
そのため、コンデンサーマイクのケーブルを探している方は、XLR端子のケーブルを選んでください。
フォーン端子(オス)
オス側がフォーン端子のマイクケーブルも発売されています。
基本的に、オーディオインターフェイスやミキサーなどの音響機器は、前述のXLR端子を使って入力することができます。
ただ、端子の数やそもそも機器にXLRの入力端子が付いていない場合は、ギターなどのシールドケーブルにも使われているフォーン端子のケーブルを使う必要があります。
繋ぐのは非常に簡単ではありますが、XLR端子と比べてノイズが入りやすいというデメリットがあります。
特別なことが無い限り、原則はXLR(メス) – XLR(オス)のケーブルを使うようにしましょう。
以下のページでも、端子による違いをまとめていますので、XLR端子とフォーン端子の違いの参考にしてください。
USB端子(オス)
マイクをパソコンに繋ぐ場合、基本的にはオーディオインターフェイスという機材を使います。
しかし、パソコンに直接繋ぎたい場合は、XLR(メス) – USB(オス)のケーブルを使うことで、オーディオインターフェイスを使わずに音声入力することができます。
機材を準備する必要が無いので、コストもスペースもいらず接続できます。
ただし、先ほどのフォーン端子と同様に、XLR端子と比べるとノイズが発生しやすいデメリットもあります。
また、この方法ではコンデンサーマイクを繋ぐことは出来ませんが、USB接続用のコンデンサーマイクも販売されています。
パソコンに直接コンデンサーマイクを繋ぎたい場合は、以下のUSBコンデンサーマイクの記事も参考にしてください。
2芯ケーブルと4芯ケーブルの違い
マイクケーブルには、2芯ケーブルと4芯ケーブルと呼ばれる種類があります。
名前の通り、ケーブル内部が2本、もしくは4本で構成されているマイクケーブルのことを指しています。
2芯ケーブルは音声用ケーブルとも言われ、価格が安く一般的に使用されていますが、4芯ケーブルと比べて細い分、内部でのノイズ発生に弱いです。
一方の4芯ケーブルは、2芯ケーブルを2つ組み合わせた形をしています。
そのため、2芯ケーブルと比べて耐久性に優れている、かつノイズの発生も抑えられているので、予算の心配が無ければ4芯ケーブルを選ぶ方が良いと思います。
また、最近では3芯ケーブルも登場してきており、マイクケーブル内部でのノイズをさらに防ぐ仕組みが作られてきています。
ケーブルの長さによる違い
マイクケーブルを選ぶときに、長さも非常に重要なポイントになってきます。
マイクケーブルは長ければ長いほど、ノイズの発生要因が高まりますので、ちょうどいいサイズのマイクケーブルを選ぶ必要があります。
様々な長さのケーブルが販売されていますが、ここでは良く選ばれることが多い「1.5m」「3m」「5m」について、記載していきます。
自宅での宅録なら「1.5m」
自宅パソコンを使った宅録やゲーム実況配信などで、マイクを繋ぐ場合は、パソコン機材などから大きく離れることはあまりないかと思います。
そのため、1m~1.5mくらいの長さのマイクケーブルを選ぶことで、配線もすっきりした形になると思います。
もし、ギターなど楽器の録音を考えている場合は、1.5mだとマイクスタンドからの長さが足りない場合が出てきますので、少し長くなってしまうかもしれませんが、3mほどを選ぶのが良いでしょう。
ライブやスタジオなら「3m」
マイクケーブルの長さで一般的なものは、この「3m」のタイプになります。
ライブ会場やスタジオなどでも、ほとんどは3mのマイクケーブルで足りると思います。
特に、バンドなどではマイクケーブルが多いため、長すぎると複雑になってしまうばかりではなく、ノイズが乗ってしまうことがあります。
ライブ会場次第ではありますが、3mのものはまず準備しておくと良いと思います。
少し離れているなら「5m」
ミキサーなどの機器と離れている場合や、動きながら使うという場合に、3mだと短いと感じる時があります。
その際は、5m以上のものを準備しておきましょう。
ただ、前述した通り、5mだとマイクケーブルの管理が大変で、ノイズの発生要因、またケーブルの破損にも繋がりやすいです。
どうしても届かない場合を除いては、もう少し短いものを選ぶ方が音質的には良いでしょう。
延長ケーブルで伸ばせる
どうしてもマイクケーブルが機器に届かない、という場合は、延長ケーブルも発売されています。
使い方は簡単で、マイクケーブルのXLR端子(オス)を延長ケーブルのXLR端子(メス)に繋ぐだけで、延長させることができます。
ただし、接続部分が増えてノイズ発生要因を増やすことになってしまいますので、イベントやライブ当日の緊急事態用に準備しておくのが良いです。
ノイズ対策なら材質は「銀」を選ぼう
マイクケーブルの材質は、多くの場合「銅」の素材が使われています。
銅は安いですが、その分不純物が多くノイズに繋がってしまうことがあります。
この不純物を排除した素材が、無酸素銅(OFC)と呼ばれるもので、「銅」よりも安定的に音が送られます。
さらに上のクオリティを求める場合は、「銀」の素材がおすすめです。
銀は銅と比べて、電気信号の伝導効率が良くよりクリアに音声を届けることができます。
金額はさらに高くなりますが、音質をとにかく求めるのであれば、「銀」の素材のマイクケーブルは最も良いと言えます。
おすすめのマイクケーブル3選
ここまでマイクケーブルの選び方についてまとめてきましたが、最後におすすめのマイクケーブルを3つ紹介させて頂きます。
使い方や繋げる機器、マイクによって異なりますので、ここで紹介しているマイクケーブルを参考に選んでみてください。
GOTHAM(ゴッサム) GAC-3(ノイマン)
世界標準のマイクケーブルゴッサム、ノイマンになります。
円形構造となっていて、3本の電線からなるケーブルは、断面が円形の構造をしているため、ケーブルへ掛かるストレスが分散され長寿命になっています。
3本の線は、それぞれ0.05mmの銅線を96本も束ねられていて作られています。
そのため、柔軟性、高品位な音声、伝送能力、長寿命なのです。
グラウンディング、シールディング本来のダブル、シールドに加えて、三本の線をグラウンド、ラインに使うことによって、25kHZで115dBものシールド効果を得ることができるのです。
BELDEN(ベルデン) 8423
2つ目のおすすめのマイクケーブルの商品は、ベルデンの8423になります。
3芯ケーブルで、シールドラインがグランドラインとは別になる事で、理想的な転送ができています。
音的には、フラットを感じる自然さがあります。
特に、アース抵抗値が低くしっかりしている環境ではその威力は大きくなります。
CANARE(カナレ) EC03
3つ目のおすすめマイクケーブルは、カナレのEC03です。
業界標準としても使われているマイクケーブルで、非常に安心して使用することができます。
コスパの非常に高いマイクケーブルで、ライブやスタジオだけでなく、個人の自宅用マイクケーブルとしても選ばれていることが多いです。
また、様々なカラーも準備されているので、好みのデザインを選んでいきましょう。
まとめ
このページでは、マイクケーブルの種類による違いやおすすめの商品について、まとめていきましたが、いかがでしたでしょうか?
マイクケーブルを選ぶ際は、
- 適切な端子を決める
- ケーブルの長さは長すぎず短すぎず
- 2芯ケーブルなのか4芯ケーブルなのか
をしっかりと確認して選んでいくようにしましょう。
マイクケーブルが元で音質が低くなってしまったら、せっかくの高いマイクももったいないので、注意しながら選びましょうね。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!