マイクには、指向特性と呼ばれるマイクのどこからの音を拾いやすくしているか、という特性をそれぞれ持っています。
マイクによっては、指向特性を切り替えられるタイプのマイクもありますが、使い方に合わせて適切な指向特性を選んでいく必要があります。
上記のページにも記載されていますが、指向特性は大きく単一指向性、双指向性、無指向性の3つに分かれています。
その中でも、双指向性はマイクの前面と背面からの音を均一に拾ってくるのが特徴的なマイクです。
このページでは、双指向性マイクについて、どのような特徴があるのか、適している用途やおすすめのマイクまでまとめていきます。
双指向性マイクとは?
まずは、双指向性マイクがどのような特徴のマイクなのかをまとめていきます。
単一指向性との違いは背面の音も拾うこと
マイクの中で最も多いタイプは単一指向性です。
以下の記事でも解説していますが、単一指向性はマイクの正面からの音を最も拾いやすくしていて、反対に背面からの音は最も拾いにくいのが特徴のマイクです。
一方で、双指向性マイクもマイクの正面からの音を拾うのですが、単一指向性との違いは背面の音も拾うことになります。
具体的には、正面と同程度の感度で背面からの音も拾うので、マイクの前後で人が喋るとどちらの声も拾ってくれます。
横からの音はほぼ拾わない
双指向性はマイクの前後の音を拾うのが特徴とお伝えしましたが、真横の音はほとんど拾ってこないのも一つの特徴になります。
具体的には、双指向性マイクの音を拾ってくる範囲は、正面と背面ともに90°となっています。
そのため、横からの音はほとんど拾わない設計になっています。
なお、単一指向性の中でも最も角度の狭いハイパーカーディオイドですら、105°の範囲となっているため、より双指向性が狭い範囲の音を拾っていることが分かります。
ノイズは多少入りやすい
双指向性マイクには、ノイズが多少入りやすいというデメリットもあります。
具体的には、単一指向性は正面からの音を最も拾うため、それ以外の範囲からの音は入りにくく、ノイズが発生しにくいです。
しかしながら、双指向性マイクは背面の音も拾ってしまうため、より雑音が入りやすいということになります。
そのため、双指向性マイクを使う際は、部屋の環境音などに気を付けましょう。
双指向性マイクの用途
ここからは、双指向性マイクがどんな用途に合っているかをまとめていきます。
ラジオやインタビューでの対談
双指向性マイクが最も効果を発揮する場面が、ラジオやインタビューなどで2人以上による対談を行う際です。
真ん中に双指向性マイクを置いておくことで、どちらの声も均一に拾ってくれるので、マイクを2本用意する必要がありません。
また、真横の音や斜めの範囲も双指向性マイクは狭くなっているので、よりクリアに拾ってくれます。
ただし、同じ音声データで録音することになるため、それぞれの声のボリューム調整がしにくいというデメリットがあります。
そのため、それぞれ単一指向性を準備して対談を行うという場合も多いです。
楽器収音
楽器の収音では単一指向性のマイクが使われていることが多いですが、特定の音を拾いたいという場合に双指向性マイクが使われることがあります。
具体的には、複数の楽器を並べて演奏している際に、特定の楽器の音を中心に拾いたいという際に効果的です。
なぜなら、双指向性マイクは最も横からの音を拾いにくく、正面の拾う角度は最も狭い指向性のマイクになるため、背面からの音が無い環境下であれば、特定の音だけを拾うことができます。
楽器一つだけであれば、単一指向性がベストかと思いますが、上記のように複数楽器の演奏時であれば、双指向性も選択肢にあがってきます。
おすすめの双指向性マイク
ここまで双指向性のマイクの特徴と、どんな用途に向いているかを解説してきました。
ここからは、おすすめの双指向性マイクを紹介していきます。
MXL / R144
双指向性でコスパの良いパッシブリボンマイクが、MXLのR144です。
楽器やボーカルなどの音楽用のレコーディングはもちろん、インタビュー用にも使えるマイクです。
最大SPLが130dBと高く、高音圧にも耐えることができます。
また、リボンマイクにしては比較的安く、15,000円前後が相場のコスパの高いマイクです。
audio technica / AT4081
audio technicaのAT4081も双指向性の中でもおすすめのリボンマイクです。
デュアルリボン構造と呼ばれる新技術が搭載されており、非常に高感度なのが特徴です。
また、S/N比も69dBと高く、ノイズが発生しにくく、よりクリアでナチュラルな音を拾ってくれます。
楽器の収音にも、よりクオリティの高い音を求めるならおすすめです。
まとめ
このページでは、双指向性マイクについてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
双指向性マイクの大きな特徴は、
- マイクの正面と背面の音を均等に拾ってくる
- 真横の音はほとんど拾わない
- 周りの音を拾うのでノイズ発生率は上がる
となります。
特に楽器の収録時に双指向性マイクを使うことで、楽器からの直接的な音だけでなく反響音も拾うことが出来るので、より自然な音を拾うことができます。
もし、楽器の収音出来るマイクをお探しなら、一度双指向性マイクも検討してみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。