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エレクトレットコンデンサーマイクとは?原理や構造を理解しよう!

エレクトレットコンデンサーマイクマイクコラム

マイクには、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの2つに分かれていますが、エレクトレット素子を使用して電荷を保つコンデンサーマイクを、エレクトレットコンデンサーマイクと呼びます。

ECMとも略されていることが多く、一般的に小型で安価のマイクと言われることが多いです。

ただ、エレクトレットコンデンサーマイクは高音圧に耐えることができる非常に優れているマイクで、価格帯だけでなく40~50万円ほどするECMもあります。

このページでは、エレクトレットコンデンサーマイクがどんなマイクなのか、どのような用途に合っているのかをまとめていきます。

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エレクトレットコンデンサーマイクとは?

まずはエレクトレットコンデンサーマイクが、どんな仕組みなのか、また特徴やデメリットを解説していきます。

エレクトレットコンデンサーマイクの仕組みや構造

冒頭にも記載しましたが、エレクトレットコンデンサーマイクは静電界を持つエレクトレット素子を使用して、必要な電気を供給しているコンデンサーマイクになります。

通常のコンデンサーマイクは、ダイアフラム(振動板)とバックプレート(固定極)の誘電板があり、直流電流から電気を供給することで、それぞれに正と負の電圧をかけることで通電しています。

そしてこの電圧により、音の空気振動から電気信号として取り出す仕組みになっています。

一方でエレクトレットコンデンサーマイクは、すでにエレクトレットが静電気を帯びている状態のため、外部電圧の必要が無くマイク内部に電圧を与えることができます。

具体的には、固定極であるバックプレートにエレクトレット素子を使用することで、振動板を振動させた時に微小な電流が流れます。

この電流から発生した電圧を増幅することで、音声の電気信号を取り出しています。

エレクトレットコンデンサーマイクの特徴

ここからは、エレクトレットコンデンサーマイクの特徴についてまとめていきます。

小型化しやすい

エレクトレットコンデンサーマイクの最大の特徴は、小型化しやすいということです。

通常のコンデンサーマイクでは、外部電源が必要になるため、多少なりとも電子回路が複雑になります。

その一方で、エレクトレットコンデンサーマイクでは外部電源が無くても、エレクトレットにより電気を発生させることができます。

そのため、電子回路を簡単にすることができ、その分マイクの小型化もしやすいということになります。

高音圧でも耐えられる

音の入力信号の最大値と最小値の差であるダイナミックレンジが高く、高音圧にも耐えることが出来るのも、エレクトレットコンデンサーマイクの特徴の一つです。

通常のコンデンサーマイクで使われることが多いのは、48Vのファンタム電源です。

一方でエレクトレットコンデンサーマイクでは、48Vよりも高い電圧をかけることができます。

そのため、ダイナミックレンジも高く音圧が高くても耐えることができます。

エレクトレットコンデンサーマイクのデメリット

エレクトレットコンデンサーマイクには、良い点もありつつデメリットも存在しています。

ただし、ここで紹介するのは、エレクトレットコンデンサーマイクとして名称を出して販売している製品に多い特徴であり、中には人気のモデルであっても実はエレクトレットタイプのものも多く、全てのエレクトレットコンデンサーマイクがこのデメリットを持っているわけでは無い点、ご理解ください。

音質が低い

通常のコンデンサーマイクと比べると、エレクトレットコンデンサーマイクは音質が低くなりやすいです。

これは、一般的に販売されているエレクトレットコンデンサーマイクには無指向性が多く、様々な音を拾う分、音質が低くなりやすいです。

ただし、指向性による部分が大きいため、エレクトレットコンデンサーマイクでも単一指向性など使い道に合わせたものを選んだり、高級なものであれば通常のコンデンサーマイクよりも音質や感度は高いです。

ノイズが発生しやすい

エレクトレットコンデンサーマイクは、3.5mmのマイクジャック端子に繋いで使うタイプが多く、XLR端子やUSB端子などと比べるとノイズが発生しやすいです。

以下の記事でも、マイク端子によって音の違いが大きく異なるのが分かると思います。

ただし、こちらもあくまでも端子の違いによるものであり、XLR端子のエレクトレットコンデンサーマイクなどであれば、他のコンデンサーマイクとの差は特に生じません。

エレクトレットコンデンサーマイクの使い道

ここからは、エレクトレットコンデンサーマイクが良く使われることが多い用途について、まとめていきます。

スマホやICレコーダー

エレクトレットコンデンサーマイクの最大の特徴である小型化しやすいことから、スマホやICレコーダー、ビデオカメラなどに使われていることが多いです。

例えば、スマホなどで通話をするときに使われている内蔵マイクでは、通常のマイクのように別電源を取って使うということは出来ませんので、エレクトレットコンデンサーマイクがとても優れています。

製品自体が小型であったり、マイク部分を大きく出来ないという場合には、エレクトレットコンデンサーマイクが使われやすいです。

ボーカル

エレクトレットコンデンサーマイクにもピンからキリまでありますが、ボーカル用に使われていることも多いです。

ただし、あまりエレクトレットコンデンサーマイクと謳っている製品は少ないので、実際どの製品がエレクトレットタイプなのかを判断するのは非常に難しいです。

例えば、audio technicaで人気のAT2020は、ファンタム電源から電気を供給して使用するコンデンサーマイクですが、実はバックエレクトレット型というエレクトレット素子を使っています。

ワイヤレスマイク

ワイヤレスマイクはほとんどの場合、充電池や乾電池タイプであり、直接電源やケーブルに繋いで使うことはありません。

そのため、ワイヤレスタイプのマイクでも、エレクトレットコンデンサーマイクが使われています。

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おすすめのエレクトレット型コンデンサーマイク

エレクトレットコンデンサーマイクがどんなものか分かってきたところで、最後におすすめのエレクトレットコンデンサーマイクをご紹介していきます。

ただし、エレクトレットコンデンサーマイクとして謳っている製品のみを載せております。

SONY / ECM-PC60

SONYから発売されている全指向性パソコン用のエレクトレットコンデンサーマイクです。

3.5mmのマイクジャック端子に接続して使用するタイプで、クリップを使えばピンマイクとしても使うことができます。

2,000円前後なので非常に手ごろな価格ながら、しっかりと音を拾ってくれます。

SONY / ECM-PCV80U

カラオケやYoutubeなどのストリーミング配信用にSONYが開発したのが、ECM-PCV80Uというエレクトレットコンデンサーマイクです。

USB Audio Boxと呼ばれる機器が付属しており、この機械を通してパソコンのUSB端子に接続して音声入力します。

また単一指向性なので、エレクトレットコンデンサーマイクの弱点である音質も問題ありません。

TOA / WM-1220

TOAから発売されているハンド型のワイヤレスマイクが、WM-1220です。

単一指向性タイプのエレクトレットコンデンサーマイクです。

800MHz帯に対応しており、単三乾電池もしくは充電池を入れて使うことができます。

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まとめ

このページでは、エレクトレットコンデンサーマイクについてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

エレクトレットコンデンサーマイクは、エレクトレット素子を使ったコンデンサーマイクで、より高い音圧にも耐えられる特徴があります。

世の中でも多くのものにエレクトレットコンデンサーマイクが使われており、人気の高いコンデンサーマイクはこのエレクトレットタイプ仕様のものが多いです。

ECMというと安価で小さい、音質が悪いというイメージが付いてしまっていますが、実は様々な部分で使われているマイクだったのです。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!