多くのマイクは近くの音を綺麗に拾うために設計されていますが、少し距離が離れている音を拾う場合に最適なのがショットガンマイクです。
ショットガンマイクは、テレビ収録や動画撮影などに使われることが多いですが、遠くの音を拾うことが出来るので、マイクを画面に映さずに撮影することができます。
また、ショットガンマイクは指向性も高く、特定の場所や人の声を拾うのにも最適なマイクです。
このページでは、ショットガンマイクがどんなマイクなのか、また選び方やおすすめのショットガンマイクまで紹介していきます。
ショットガンマイクとは?
まず、ショットガンマイクがどんなマイクなのか、特徴をまとめていきます。
距離の離れた音を拾うのに最適
ショットガンマイクは、ガンマイクとも呼ばれますが、形状が非常に細長くなっていて、銃のように狙った場所の音を拾うことに長けているマイクです。
もう少し詳しく言うと、ショットガンマイクは少し距離の離れている人の声や自然の音などを拾うのに、最適なマイクになっています。
ショットガンマイクは、マイクから50cm~2m程度の距離の音が最適と言われますが、中には100m先の音を拾うためのショットガンマイクもあります。
指向性の強い特性を持つマイク
ショットガンマイクの特徴の一つとして、指向性が非常に強いマイクになっています。
指向性とは、マイクのどの方向からの音を拾いやすくなっているかという特性のことを指しています。
ショットガンマイクは、その中でも前方からの非常に狭い範囲の音を拾いやすい、鋭指向性や超指向性と呼ばれる指向性を持っています。
そのため、遠くの音でも出来るだけ狙った音を拾うことが出来ています。
ただし、ショットガンマイクの中でも、異なる指向性を持っているマイクも販売されています。
なお、指向性については以下のページも参考にしてみてください。
屋外での撮影やビデオカメラとセットで使う
ショットガンマイクは、冒頭でも書いた通り、屋外での撮影やテレビ収録などで使われることが多いマイクです。
ビデオカメラにセットして使用することも多く、プロだけでなく子供の運動会などで、特定の場所の音を拾うなどの使い方もできます。
なお、形状は異なりますが、ショットガンマイクと同じように特定の場所だけを拾うことを目的としたマイクとして、ピンマイクも様々な場面で使われています。
ショットガンマイクの選び方
ショットガンマイクの特徴が理解出来たところで、ここからはショットガンマイクの選び方についてまとめていきます。
ショットガンマイクを選ぶ際のポイントとして、
- 大きさや重さ
- 指向性
- 電源
- 風防対策
の4つに注目していきましょう。
大きさ・重さ
ショットガンマイクは、直接手で持って使用したり、ビデオカメラにセットして使用することが多いため、大きさや重さは特に重視するようにしましょう。
多くのショットガンマイクは、手で持っても問題無いように軽い設計になっているものが多いですが、しっかりと重さをチェックしてから購入するようにしましょう。
また、大きさや長さによって、音を拾える距離や範囲が変わってきますので、使用用途に合わせて最適な長さのショットガンマイクを選んでいく必要があります。
指向性
マイクの指向性とは、前述はしていますが、マイクのどこからの音を拾いやすくしているか、というマイクの特性のことを指しています。
ショットガンマイクは、遠くの音を拾うため出来るだけ角度の狭い、スーパーカーディオイドもしくはハイパーカーディオイドと呼ばれる指向性のものを選ぶようにしておくと、余計な雑音が入りにくくなります。
スーパーカーディオイド(超単一指向性)
通常のボーカルマイクの多くは、単一指向性と呼ばれるタイプで、マイクの正面からの音をより強く拾いやすい特徴を持っています。
その単一指向性よりも少し狭い角度の範囲の音を拾う特徴を持っているのが、スーパーカーディオイドおよび超単一指向性のタイプです。
横からの音はほとんど拾わない設計になっているため、通常のマイクよりも距離が離れてもノイズを拾いにくいのが特徴です。
なお、スーパーカーディオイドについて詳しく知りたい方は、以下のページも参考にしてみてください。
ハイパーカーディオイド(鋭指向性)
ハイパーカーディオイドは、先ほどのスーパーカーディオイドよりもさらに狭い角度の範囲の音を拾う設計になっているタイプで、鋭指向性とも呼ばれます。
スーパーカーディオイドよりも横からの音を拾いにくくなっているので、歓声の多いようなスポーツ中継などで使われていることが多いです。
なお、ハイパーカーディオイドについては以下のページでも詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。
電源の供給方法
ショットガンマイクを選ぶ際には、電源の供給方法についても確認しておく必要があります。
録音などで使われるコンデンサーマイクは、多くがファンタム電源と呼ばれる電源を必要としています。
しかし、ショットガンマイクは、屋外で使用されることが多いため、ファンタム電源だと機材が増えてしまい大変です。
そこで多くのショットガンマイクでは、ビデオカメラから電源を供給できたり、乾電池やモバイルバッテリーで駆動出来るようになっています。
そのため、使い方に合わせた電源の供給方法であるかどうかもチェックしておきましょう。
風防対策
ショットガンマイクを屋外で使用する際は、風防対策もチェックしておきましょう。
屋外では、風がマイクに入ってしまうことで、「吹かれ」と呼ばれるノイズが発生してしまうことがあります。
そのため、この吹かれを防止するために、マイクにスポンジのようなウインドスクリーンと呼ばれるアイテムを装着します。
多くのショットガンマイクでは、購入時にセットになっていますが、こちらも屋外で使用する場合はチェックしておきましょう。
なお、ウインドスクリーンについては以下のページでも詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
おすすめのショットガンマイク3選
ショットガンマイクの選び方が分かってきたところで、ここからはおすすめのショットガンマイクを3つ紹介していきます。
SENNHEISER / MKE600
一つ目は、SENNHEISERから発売されているMKE600というショットガンマイクです。
スーパーカーディオイドタイプのショットガンマイクで、狙った場所を音をしっかりと拾ってくれる設計になっています。
ファンタム電源、バッテリー駆動、電池駆動のどのタイプにも対応しているので、様々な使用用途で使いやすいショットガンマイクです。
SONY / ECM-VG1
二つ目は、SONYから発売されているECM-VG1というショットガンマイクになります。
ショットガンマイクの中でも王道的なマイクですが、鋭指向性でより狭い範囲の音を拾うのに最適です。
また、ウインドスクリーンとマイクの間にスペースを作っているため、風防対策により優れているので外でも安心して音を拾うことができます。
BOYA / BY-BM6060
三つ目は、BOYAから発売されているBY-BM6060です。
ファンタム電源だけでなく単三乾電池1本で使用することができ、屋外使用用にウィンドスクリーンが2種類付いています。
また、ハイパスフィルターも付いているので、よりノイズを減らすことができます。
まとめ
このページでは、ショットガンマイクについて、どんな特徴のあるマイクなのか、選び方やおすすめ商品までを紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?
ショットガンマイクは、距離の離れている音を拾うのに長けているマイクで、ビデオ撮影やテレビ収録などで使われることが多いです。
ショットガンマイクを選ぶ際は、
- 大きさや重さ
- 指向性
- 電源の供給方法
- 風防対策
の4点に注意しながらマイクを選んでいきましょう。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました!