昔は、レコーディングと言えば、レコーディングスタジオを借りて録音をする必要がありました。
パソコン技術の発達やソフトの開発、また必要な機器の低価格化により、自宅でもCDのような、とても綺麗な音で録音をすることができるようになりました。
自宅で録音することを宅録と言いますが、宅録ができるようになれば動画サイトにアップしたり、趣味や、アマチュアの仕事などで幅広く活用する事ができます。
このページでは、宅録をこれから始めたい方や宅録初心者の方に向けて、宅録に必要なものやおすすめのマイクを紹介していきます。
宅録を始めるのに最低限必要なもの
まずは、宅録をこれから始めたいという方に向けて、宅録するのに必要なものをまとめていきます。
録音デバイスである「パソコン・Mac」
何と言っても音源を取り込むための録音デバイスが必要となり、パソコンやMacは最低限準備する必要があります。
パソコン性能としては、高ければ高いほど良いですが、家電量販店などに置いているパソコンのスペックでも、複雑なことをしなければ宅録でも問題無く使用できます。
ただ、あまりにもCPUが悪いパソコンだと、重たくなってしまったり、録音途中で止まってしまい、せっかくの音源が途切れてしまうなんてことが発生してしまいます。
もしこれから宅録用のパソコンを選ぶ方は、せめてCPUがCORE i3以上のパソコンで、メモリも出来るだけ大きいパソコン(8GB以上)の方が、処理速度が早くて快適です。
あとは、後ほど解説していますが、オーディオインターフェースやDAWソフトに対応しているパソコンである必要がありますので、すでに機器やソフトを持っている場合は、バージョン等をチェックしておきましょう。
音を拾うための「マイク」
ボーカルやギターなど音を拾うためには、当然ながらマイクが必要になってきます。
マイクには様々なタイプがあり、それぞれで特徴や音の拾い方が変わってきます。
また、宅録でどんな音を拾いたいのかでも、選ぶマイクは変わってきます。
特に、自宅での音の響き方や周りの環境音など、宅録する場所によって最適なマイクは異なります。
後ほど、宅録におすすめのマイクを紹介していますので、これからマイクを選ぶ方は参考にしてみてください。
パソコンとマイクを繋ぐ「オーディオインターフェイス」
初めて宅録する方にはあまり馴染みが無いかもしれませんが、パソコンとマイクを繋ぐ際に必要になってくるのが、オーディオインターフェースと呼ばれる機械です。
オーディオインターフェースは、マイクで拾ったアナログ音声をパソコンで取り込むためのデジタル音声に変換してくれる機械です。
「パソコンに直接マイクを繋げれば良いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、やってみると分かりますが、「ジー」というノイズが発生してしまいます。
宅録する上でノイズは厳禁ですので、オーディオインターフェースを必ず使用するようにしましょう。
機器と繋ぐ「マイクケーブル」
マイクとオーディオインターフェースを繋げる際に、必要になってくるのがマイクケーブルです。
マイクケーブルと一言で言っても、太いものや長いものなど様々なタイプがあります。
また、このマイクケーブルが原因でノイズが発生する場合もあるため、宅録用のマイクケーブル選びも非常に重要です。
おすすめは出来るだけ太く、長すぎないちょうどいいマイクケーブルを選ぶようにしましょう。
録音や編集できる「DAWソフト」
ここまでのものでパソコンに音を取り込むことはできますが、音源を録音や編集するのも宅録の醍醐味です。
その際に使われるのがDAWソフトです。
DAWソフトにも様々なものがあり、プロが使用するProtoolsから一般的なCubase、SONAR、Liveなど、それぞれのソフトで特徴があります。
初心者ならCubaseがおすすめですが、ソフトの使い方が自分に合っているか、もし体験版が準備されていれば、一度ダウンロードしてみて使い勝手を確認するのが良いと思います。
なお、前述のオーディオインターフェースを購入する際に、下位版ですがDAWソフトが付いてくることがあり、そのソフトでも充分使えますので、まずは試しに使ってみるのが良いでしょう。
宅録で失敗しないマイクの選び方
ここからは、宅録する上でも重要になってくるマイクの選び方をまとめていきます。
ダイナミックマイクか?コンデンサーマイクか?
マイクには、大きくダイナミックマイクとコンデンサーマイクの2種類があります。
ダイナミックマイクは、内部に振動板(ダイアフラム)とコイルが搭載されており、音の空気振動で振動板が揺れることで、電気信号を発生させて音を伝えているマイクです。
電源が必要なく湿度に強く耐久性に優れており低価格という特徴がありますが、感度が低いのが欠点です。
一方で、コンデンサーマイクの内部は振動板(ダイアフラム)とバックプレートという2枚の金属板で構成されており、振動板が音の空気振動で振動すると、電圧が変化し電気信号を発生させることで、音を取り出す仕組みになっています。
感度が高いのがコンデンサーマイクの最大のメリットですが、電源が必要で湿気に弱く価格帯が高い、というデメリットも兼ね備えています。
宅録では、部屋の中で使うこともあり、個人的には感度の高いコンデンサーマイクが最もおすすめです。
ただし、その分価格も上がりやすいので、もし宅録以外でも使用する用途があるのであれば、低価格でも質の良いダイナミックマイクを選べば充分宅録でも活躍出来ます。
指向性能は単一指向性を選ぼう
マイクの性能として、どこからの音を拾いやすいか、どこからの音を拾いにくいか、という指向特性と呼ばれる性質があります。
宅録で使うのであれば、単一指向性を選ぶのがベストです。
単一指向性は、マイクの正面からの音の感度が一番高く、反対に背面からの感度が一番低い性質を持っています。
宅録では、背面から録音するという必要が無いため、単一指向性マイクの正面からボーカルやギターの音を拾うことで、クリアな音で取り込むことができます。
宅録では単一指向性が最適ですが、例えば部屋の残響音を取り込みたい、複数人で録音したいのであれば、無指向性なども検討しましょう。
XLR端子で接続できるマイク
マイクを接続する端子も、XLRタイプからUSBタイプ、3.5mmのミニジャックなど様々なタイプが販売されています。
この中でも宅録では、XLR端子のマイクを選ぶようにしましょう。
オーディオインターフェースでマイク入力する場合は、必然的にXLR端子を選ぶことになりますが、USB端子などではノイズが発生してしまうことがあります。
XLR端子はノイズの発生しにくい仕組みになっているので、宅録で使うならXLR端子にしましょう。
宅録でおすすめのコンデンサーマイク
ある程度予算があるなら、宅録でもコンデンサーマイクを使うのが良いです。
ここでは、宅録でおすすめしたいコンデンサーマイクをピックアップしていきます。
audio-technica / AT2020
audio-technicaのAT2020は、1万円前後とコンデンサーマイクの中でも低価格ながら、性能が高く感度が良いのが特徴です。
入門用のコンデンサーマイクとして非常に人気が高いです。
サイドアドレス型と呼ばれる横向きマイクで、ボーカルのレコーディングでも非常に使いやすいマイクです。
また、AT2020はバックエレクトレット型でエレクトレット素子を使用したマイクで、入力音圧が高くても処理しきれるのも大きな特徴です。
audio-technica / AT4040
AT2020よりも価格帯が上がり3万円前後する高性能なコンデンサーマイクが、AT4040になります。
AT2020と同じくサイドアドレス型のマイクで、低域から高域まで癖が無く原音そのままにクリアに録音することができます。
ボーカルはもちろん、アコギや様々な楽器にも対応できる宅録では非常に活躍できるマイクです。
DCバイアス式なので、バックエレクトレット型よりもノイズが少なく、よりクリアな音楽を作ることができます。
RODE / NT1-A
AT4040と同じく3万円前後しますが、昔から宅録でよく使われているコンデンサーマイクが、このRODEのNT1-Aです。
大口径ダイアフラムを搭載しており、より高い感度と質の良いサウンドを実現しています。
ボーカルからナレーション、ギター、ピアノなど宅録でも使いやすいマイクです。
製品発売時からだいぶ経過していますが、まだまだ使えるコンデンサーマイクです。
宅録でおすすめのダイナミックマイク
宅録だけでなくライブなどでも使いたい、という場合はダイナミックマイクがおすすめです。
ここからは、宅録でも使えるおすすめのダイナミックマイクを紹介していきます。
SHURE / SM58
ダイナミックマイクの中では、知らない人はいないくらい有名なマイクが、SHUREのSM58です。
「ゴッパー」と呼ばれることが多いダイナミックマイクで、世界的に使われているマイクです。
特にボーカル用に最適なマイクで、中音域から高音域までが強くなっており、明瞭で力強さがあります。
また低域は、近接効果を最大限利用できる調整が行われており、ボーカル録音ならもってこいというマイクです。
AUDIX / OM6
女性向けに最適なボーカルマイクが、AUDIXのOM6です。
ダイナミックマイクの中では2万円前後と少々高いマイクですが、その分コンデンサーマイクと同じような抜けの良い音質で拾うことができます。
ハウリングも発生しにくいので、宅録だけでなくライブパフォーマンスでも非常に使いやすいマイクです。
audio-technica / AT-X11
コンデンサーマイクでも紹介していたaudio-technica製のダイナミックマイクが、このAT-X11です。
3,000円前後と格安ですが、中音域が強調されており、ボーカルは非常に明瞭に拾うことができます。
もちろんもっと良いマイクはたくさんありますが、コスパは非常に優れているマイクと言えます。
初めて宅録するのに予算を抑えたい、という場合には、このAT-X11を買うのも一つの手だと言えます。
まとめ
このページでは、宅録に必要なものとおすすめのマイクについてまとめさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
宅録をする上で最低限必要なものとして、
- 録音するためのパソコン
- 音をキャッチするマイク
- パソコンに入力するオーディオインターフェース
- 音を繋ぐマイクケーブル
- 音源編集のDAWソフト
となります。
他にも、ノイズを防ぐためのポップガードやショックマウント、またマイクスタンドなども準備しておくと、効率的に宅録することが出来るようになります。
是非、これから宅録を楽しんでいきましょう♪
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!